賛成意見①
川村:私は、ルッキズムは仕方のないことだと思う。
此本:私もそう思う。
小野:どうしてそう思うの?
此本:小野さんや川村さんは自己紹介で好きなキャラやアイドルがいるって言っていたよね。 容姿が好みで好きになったなら、外見で判断していることにならないかな。
上田:確かに…。僕も推しの外見が好きなんだけど、これもルッキズムかも。
川村:私たちの学校でアンケートをとったのだけど、それによると、約半数の人が推しを外見がきっかけで好きになったみたいだよ。
岡本:やっぱり多くの人が、外見が好みの人を推しているんだね。
此本:確かに、推しを見ている時に、「顔が良い」ってよく言うよね。
川村:確かによく聞くよね。
此本:他にも、ペットを外見で選ぶことも、ルッキズムになるのではないかと考えたんだ。 アンケートによると、ペットを飼ったことのある人の約半数が外見でペットを選んだみたいだよ。
岡本:ペットって、可愛いかそうでないかで選びがちだよね。 それもルッキズムになるのかもしれないね。
小野:でも、それは仕方ないよね。 可愛いと思えるから、癒しになるし、お世話するのが楽しいと感じられるよね。
岡本:僕たちは無意識のうちにルッキズムをしているんだね。
此本:そうだね。だから、ルッキズムは肯定せざるを得ないと思うよ。
上田:推しやペットからは、ルッキズムは切り離せないんだね。
賛成意見②
小野:最近はプチ整形なるものが流行ってるらしいわ。瞼を二重にしたり、唇にヒアルロン酸を注入したりするような比較的低額&術後のダウンタイムが短時間で終わる整形のことを言うんだって。
川村:えええ、整形にプチってあるんだね。なんだか違和感を感じるわ。
上田:確かにあまりいい響きではないけど、普通の整形に比べて費用を抑えられる上に顔の印象も結構変わるらしいよ。 実際に形成外科の先生の元へ取材に行ったから詳細を伝えるね。 まず先生にどんな整形が流行ってるか聴いてみたよ。
岡本:整形に流行りがあるの??
川村:あるみたいよ。海外セレブの間では頬の余分な脂肪を取り除くバッカルファット手術が人気らしい。
上田:川村さん、よく知ってるね。頬に独特のラインが浮き出てる人ってセクシーだよね。
岡本:お、おう…。先生はなんて言ってた
上田:日本では瞼の二重切開が人気なんだって。僕もアイプチをよくしてるけど、簡単に整形できるなら手術した方が早いよね。 あと先生自身が整形についてどんな風に考えているか聴いてみたよ。
岡本:おお。なんて答えたかすごく気になる。自身の本業だから推奨してるんじゃない?
上田:いや、肯定はしていたけど無理にしてほしくはないって言ってたよ。整形するとダウンタイムはキツいし、その後のケアも大変。 整形は美しくなる分、その後の管理が絶対に必要なんだ。つまり、余程の覚悟を持たなければ、軽い気持ちで整形すると元に戻せなくなって精神的な病になりかねない。 視点を変えると、整形が精神的な健康を保つこともできるんだって。
岡本:整形って術後の方が大変そうだね。僕はやりたくないかも…。でもコンプレックスがなくなるほど嬉しいことはないよね。難しいなぁ。
小野:私だったらするかも…。
賛成意見③
此本:私は、野生動物の中では生存本能としてルッキズムの概念があると聞いたことがあるよ。
上田:へえ、それは知らなかったよ。どんな動物がいるの?
此本:例えば、クジャクのオスがあるね。大きな羽を広げてメスに求愛行動をするけど、メスの判断基準は羽の綺麗さや、目玉模様の数、などが挙げられるよ。
小野:それ、私も聞いたことがあるよ。強いこと、健康であることをアピールするためなんだって。
此本:そうそう。人間にも、このことが言えるんじゃないかなと思ったんだ。学校のアンケートで、面接で証明写真から判断する際に採用するのはどちらか、という質問をしたのだけど、男性は100人中96人、女性は100人中92人が服の着こなしや見た目がきちんとしている人を選択していたんだ。このアンケートは極端に選択の内容を乖離させたけど、動物が強い子孫をと残そうとするように、会社もブランディングというものがあるだろうから、見た目による判断はやはり重要になってくるんじゃないかな?
岡本:確かに身だしなみをきちんとしていないと、他が良くても近づき難い印象は少なからず与えるだろうね。
此本:それぞれの人間の「らしさ」の否定ではなくて、女性らしさ・男性らしさや健康的に見えることなどの外見の良さに対する見た目判断は生きていく上で大切になるだろうから、ルッキズムを全面的に批判することは、動物的な本能に逆らった行動になるのではないか、と思ったよ。
川村:ルッキズムという概念は、同じように人間の中にも潜んでいる、ということだね。
小野:うーん、私も道ですれ違った人に外見に「かっこいい」「きれい」と思うことはあるなぁ。けれど、人間は生存本能と併存して理性があるから、どこかで、本能である「見た目だけの判断」を理性で制御しなければならないと思うな。
此本:そうだなぁ、人間社会では動物の要素とは比にならないほどの多種多様な人がいるから、理性を働かせてすぐに人格否定をしないようにする必要はあるね。
上田:本来の生き物の習性から考えるのは、なかなか斬新でいいね。